SPICA
by Interiors
2022
Material potential
Modern design has a deeply rooted history in Denmark.
While paying homage to this relevant background, I wanted to explore new possibilities using a composition made of simple elements.
The frame is clearly made of vertical elements in tubular steel and horizontal elements in flat bars.
The cushion has an organic shape – contrasting the frame's rigidity – and is covered either in Danish high-quality leather or fabric.
But what characterizes this chair the most is the steam-bent solid wood backrest that lays tangentially on the top of the structure.
The cross-section of this detail draws two circles in slight contact, which, when developed three-dimensionally along a large curve, gives a warmer feeling at the point of contact between the metal and the body.
The geometric conditions of the tangent determine the characteristics of this project.
素材の可能性
アルミニウムハニカムパネルは超軽量、高強度という特性から生まれるたわみのない高い平面性が最大の特徴である。単純な板状のものでさえ、その製作に高い精度を必要とし技術が問われる製造物である。
このプロジェクトでは、更なる高みを目指しアルミニウムハニカムパネルをプレス加工により“曲げる”という難易度の高いモノ作りに挑戦した。 大きな背のカーブとアーム前方のエッジはまろやかなアウトラインを描き、加工性の良いアルミニウムハニカムパネルの特性を活かした小口のディテールと相まってその薄さを強調する。
17ミリ厚の座面は3m超の長さにも耐えうる強度を持ち、通常座面の底に見られる構造的要素を一切排除した滑らかでクリーンな構造となった。結果としてアルミニウムハニカムパネルの持つ“冷たさ”や“固い”という一般的な印象とは異なり、スムースで優しく、また清潔感のある表情のあるシェルが完成した。
モールドで成型されたクッションは、シェルの小口からの連続性を持ちながら、ぽってりとした膨らみへと繋がり、体を優しく包み込む座り心地とシャープなシェルとのコントラストを生んだ。
このプロジェクトでは素材の持つ可能性を広げる事によって、新しい感覚をデザインする事ができたように思える。加工性の良いアルミという素材は、ハニカムやシート材、押し出し材や無垢材など用途によって様々なパフォーマンスを持つ素材に加工できる。
アルミという循環型素材を用いた、単一素材によるモノ作りに可能性を感じている。